中小企業サイトとの相性は?テンプレートを使用したホームぺージ制作を考える
ホームぺージ制作のご相談を受ける中で「テンプレートでも良いから費用を抑えたい」とおっしゃる方は一定数いらっしゃます。弊社でもお手軽にホームページを作成できるプランのご用意はありますが、実際にテンプレートを使用した制作方法の説明を始めると「○○のページは必要ないから△△にしてほしい」「競合サイトは○○だから同じようにしてほしい」、「デザインはこんな感じにしたい」とのご要望から、利用される機会があまりありません。そこで今回は、知られているようで、あまり知られていなかった「テンプレート」を使用したホームページ制作についてご紹介します。 ホームぺージ制作における「テンプレート」とは ホームページ制作における「テンプレートプラン」とは、あらかじめ用意されたデザインやレイアウト(テンプレート)を使用して、必要最低限のカスタマイズでホームページを制作するプランです。一般的に以下のような特徴があります。 テンプレートを使用した制作プランの特徴 デザインは既存のものから選択 要望に合わせて一からデザインを作るのでなく、制作会社が予め用意している複数のデザインの中から好きなデザインを選択して制作を行います。 低価格・短納期 選択したデザインに合わせて、文章や画像を差し替えるだけなので、コストを抑えやすく、制作期間も短い。資料が揃っていれば数日で公開可能な場合もあります。 ページ構成が決められている トップページ+5ページ以内(例:新着情報、会社概要、サービス、お問い合わせ)など、必要最低のページ数で構成されていることが多い。 オプション料金でページや機能の追加も可能 既に用意されているページ以外に必要なページがある場合は、追加費用を支払うことで追加可能。オプション項目に関しても、予め決まっている場合が多く、希望しても実装されないものもあります。 テンプレートプランの魅力は何と言っても「手軽さ」です。ホームぺージの内容にこだわらないのであれば、数日でホームページを持つことが可能。各種届出の申請時や、名刺代わりにすぐに必要といった場面では大変重宝します。 制作現場で感じる、テンプレートプランとご要望のズレ テンプレートでのホームページ制作は「短時間に低価格で」という方には非常に魅了的ではありますが、既存のデザイン・構成を使用するため、「必要なページや機能が定まっているホームページ」や「ブランディングを目的とした(主にデザイン面を重視した)ホームページ」とは相性が合わないことが多いです。 中小企業のホームページでテンプレートプランを採用されなかった主な理由 他社との差別化ができない 「自社らしさ」が出しづらい 他のホームページと同じような見た目になってしまい、ブランド価値を損なう可能性がある 伝えたい内容や構成に合わない 構成が自社の内容や目的に最適化されていない 希望する機能・ページが用意されていない 拡張性が乏しい ページや機能の追加は可能だが、価格や制作期間が抑えられなくなるのであれば意味がない 運用してみてイメージに合わない場合は、短期間で作り直しになることもある 自社の目的に合わせて、しっかりとしたものを作りたいという方や、リニューアルでの制作を希望される方には合いませんでした。 テンプレートでの制作はデザイナーに悪影響がある場合も テンプレートでのホームぺージ制作ではデザインや構成を考えるといった工程がありません。決まったデザインに文章や画像を当てはめる作業が中心となるため、実作業としての負担は軽減されますが、「提案する」「魅せ方を考える」といった本来のクリエイティブな工程が少なくなりデザイナーの成長や、モチベーションの低下へと繋がることもあります。 まとめ|テンプレートは「目的に応じて選ぶべき選択肢」 テンプレートを使ったホームページ制作は、コストを抑えてスピーディに公開できるという点で大きなメリットがあります。事業立ち上げ直後や、Web集客に力を入れる前の「とりあえずの一歩」としては、十分に意味のある選択肢です。 しかしながら、「会社のイメージアップを図りたい」「今よりも問い合わせを増やしたい」「自社の強みを詳しく伝えたい」といった目的に対しては、表現や設計の自由度により、期待する効果を得られない可能性があります。 テンプレートでのホームページ制作にはメリットもデメリットもあるため、価格のみに注目するのではなく、目的に合っているかで選ぶことが重要です。