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ホームページのリニューアル。
全面改修から部分改修まで、改修範囲は様々ではありますが、ホームページの制作というと新規制作よりもリニューアル(改修)をご相談される機会の方が多いのではないでしょうか。
弊社でもご相談いただく案件の、実に7割以上はリニューアルのご相談です。
リニューアルというと、「デザインを新しくする作業」というイメージを持たれる方も多いですが、実際のリニューアルでは、デザイン制作よりも「既存サイトの引き継ぎ」に多くの時間を要することがあります。
特に長年運用されているホームページでは、サーバーやCMS、既存データなど様々な要素が絡み合っており、新規制作のように自由に作れるとは限りません。今回は、ホームページリニューアルで実際によく発生する問題について解説します。
当然ではありますが、ホームページのリニューアルと新規作成とでは「制作の工程」が全く異なります。
新規制作の場合は、デザインやシステムをゼロから設計できます。
一方、リニューアルでは以下のような前提条件があります。
つまり、「新しく作る」よりも「今あるものを壊さずに作り替える」作業になるケースが多いのです。
リニューアルの相談をいただいた際、制作会社が最初に確認するのは新しいデザインではありません。
ホームページのリニューアルでは、デザインの前に「現在のサイトをどのように引き継ぐか」を考える必要があります。サーバーやCMS、既存データの状況によっては、希望するリニューアル方法が難しい場合もあるためです。
そのため制作会社は、まず現在のサイト環境や運用状況を把握し、どのような制約があるのかを確認します。
現在利用しているサーバーの種類や契約状況を確認します。
リニューアルでご相談いただく内容(追加するシステム等)に対して対応ができるのかの確認もありますが、長年運用されているサイトの場合、古い環境のまま利用されていることも珍しくありません。
テスト環境の用意も含めてリニューアルに必要となるものが、すべて賄えるかの確認が必要です。
CMS(運用管理システム)を使用しているのか、使用している場合は何を使用しているのか(WordPressを利用しているのか、独自システムなのか)等によって改修方法が大きく変わります。
システムが絡まないのであれば、ある程度は自由に構築が可能ですが、そうでない場合は、既存の構築方法に基づいて制作する場合がほとんどのため、どういった言語で制作されているのか、どのような機能が実装されているのか、実際の管理画面で事前確認が可能かどうかも重要な確認項目です。
部分改修の場合に多いですが、使用されている図や画像(バナー)などの元データが残っているかどうかによって、作業工数が大きく変わります。
文字を一つ変えるのでも、既存のデータを修正できるのであれば時間はかかりませんが、一から作り直しの場合は、既存の成果物を基に、編集可能な状態のデータを用意するまでに時間もかかります。
「Google Analytics」「Search Console」といった解析ツールを使用する場合、既存のものがあるのか、その場合は引き継ぐのか(アカウントが有効かどうか)を確認します。
管理ツールを自社で管理されている場合は、既存のものを引き継いで使うことも可能ですが、制作会社やコンサルタント会社のものを使用している場合には、リニューアル後も、同社に情報を開示するのかどうかで継続の可否が変わります。引き継がない場合は新規にアカウントの取得が必要です。
「WordPressであれば、テーマを入れ替えるだけなので簡単にリニューアルできますよね?」と言われることがありますが、実際はそう単純ではありません。
WordPressはテーマを変更することでデザインを大きく変更できることや、プラグインを追加することで様々な機能を実装できることが大きな特徴です。
しかし、プラグインを導入しただけでサイトの機能が完成するとは限りません。プラグインを有効にしても、テーマとの連携部分は引き継がれないことがあります。テーマを変更する際は、変更後のテーマにも手動でプラグインの連携を加える必要があるのです。
長年運用されているWordPressサイトでは、様々な機能が追加されていることがあります。機能を維持したままリニューアルする場合、新規にテーマを作成するよりも、既存テーマをベースに改修した方が安全なケースも少なくありません。
意外と忘れがちですが、WordPressの記事本文は、文字情報としてではなく、HTML(文字がタグ付けされた状態)として保存されています。
そのため、既に記事内に書かれている「見出し」「表組み」「リスト」「ボタン」などの構成は、デザインを新しく変更しても、変わることが無く、過去の記事の構成を保った状態で、新しいデザインとの整合性を考慮して、パーツを調整していく必要があります。
記事数が多いサイトほど、使用されているパターンも多く、記事ページのデザイン変更には制約が生まれます。
元々テスト環境が用意されている場合は問題がないのですが、長期間更新されていないサイトでは、「プログラムのバージョンが古い」「WordPress本体が古い」「プラグインが非対応(既にプラグインの更新が終了している)」といった問題が発生します。
本来であればリニューアル前にテスト環境を作成して検証を行いますが、古い環境の場合はテスト環境を構築するだけでエラーが発生し、最悪の場合は同じものが用意できない(作れない)こともあります。
そのため、事前調査や検証作業が必要になるケースがあります。
更に難易度が高いのが、独自開発されたシステムのリニューアルを別の会社が行う場合です。
特に古いシステムでは、「設計書がない」「仕様書がない」「開発会社が存在しない」というケースもあります。こうなると、まず現在の仕組みを調査するところから始まります。
具体的には、データベース(データが保存されている、Excelの表のようなもの)から全てのテーブル情報をリストアップし、どのテーブルがどのような場面で、どのように使用されているかを、一つずつコード(ファイル)や実際の動作を確認しながら、全体像を一から再構成してい作業になります。
対応が難しい場合も多く、実際には既存の登録データを加工しなおして、新規に作り直しとなる場合も多いです。
リニューアル時、セキュリティ対策や技術な利便性のためには最新環境へ移行するのが一般的ではあります。
しかし、実際の現場では、サイトを最適化する事よりも、目の前の問題を少しでも早く解決する事の方を重要視される場合も多いです。
そのため、状況によっては、アップグレードや、サーバーの移転をすることなく、古い状態を維持したまま必要な部分だけを改修するケースもあります。
ホームページのリニューアルは、新しいサイトを作る作業ではなく、今あるサイトを理解した上で改善していく作業です。
特に長年運用されているサイトでは、サーバー・CMS・既存データ・独自機能など様々な要素が絡み合っているため、事前調査なしに正確な工数や費用を判断することはできません。
そのため、リニューアルを検討する際は、デザインや機能だけでなく、「現在のサイトがどのような仕組みで動いているのか」という視点も重要になります。
とはいえ、発注側がすべての環境やシステムを把握しておく必要はありません。
まずは、手元にある以下の情報を整理することから始めてみましょう。情報が揃っているほど制作会社も状況を把握しやすくなり、調査や確認にかかる時間を減らすことができます。
ホームページリニューアルの成功は、新しいデザインを作ることではなく、今ある資産を安全に引き継ぎながら改善していくことです。まずは現状を整理し、現在のサイトを正しく把握することから始めましょう。

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